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呼吸器・循環器の発育・発達の指導案|中学1年保健の授業の流れ

この記事のポイント

  • 肺と心臓の発達は、体育の授業での実感とつなげると一気に自分の話になる
  • 入口は「小学校のときより長く走れるようになった人」グラフから入らない
  • 板書は3列。小学生のころ・いま起きている変化・だから今できること

📊グラフから入って、全員に他人事にされた

呼吸器・循環器の発育・発達を扱ったとき、僕は教科書の発達曲線から入った。

肺活量のグラフ、心臓の重さのグラフ。
年齢とともに数値が伸びていく線を指しながら、「この時期に大きく発達するんだよ」と説明した。

生徒はノートに写していた。写してはいた。

でも、まとめの一文を読んだら「体が発達していると分かりました」ばかりだった。
グラフの線は、生徒にとって自分の体の話になっていなかった。

この単元の難しさは、変化が目に見えないことだと思う。
身長や体重なら数字で分かる。
でも肺や心臓が大きくなったかどうかは、鏡を見ても分からない。

ただ、この学年の生徒は体育の授業で毎週その変化を体感している。
そこを使わない手はなかった。

50分をこう配る

  • 導入 5分 ── 発問1つ。挙手で軽く取る
  • 展開① 15分 ── 肺と心臓に何が起きているかを押さえる
  • 展開② 20分 ── 「なぜ長く動けるようになったのか」を班で説明させる
  • まとめ 10分 ── 自分の体の変化を1文書かせて回収する

展開②が肝になる。知識を入れるだけなら展開①で足りる。
でも自分の体で起きたことを説明させる時間を取ると、グラフが自分の話に変わる。

学習指導要領(保健体育編・保健分野)では、身体には各器官が発育し、機能が発達する時期があること、また、その時期や程度には個人差があることを理解できるようにすることが位置づけられている。
個人差に触れるのが、この単元で外せない点になる。

導入で使える発問3つ

そのまま言える形で書く。どれか1つでいい。

  1. 「小学校のころより、長く走れるようになったと思う人?」
    一番使いやすい。ほとんどの生徒が手を挙げる。
    全員が持っている実感から入れるので、そのあとの「なんでだろう」が自然に出る。
  2. 「走っていて苦しくなるの、あれは肺が疲れてるのかな。心臓かな」
    どちらとも言い切れない発問。呼吸器と循環器を一緒に扱う流れにつながる。
    理科とも接続する。
  3. 「運動部の人とそうじゃない人で、心臓の大きさって違うと思う?」
    個人差の話に直接入れる型。
    ただし比べる空気になりやすいので、扱い方には配慮が必要になる。

板書は3列で組む

黒板を縦に3つに割る。

  • 左:小学生のころ ── すぐ息が切れた/長く走れなかった
  • 中央:いま起きている変化 ── 肺が大きくなる/心臓が一度に送る血液が増える
  • 右:だから今できること ── 持久力がつく時期/無理のない負荷

左から右へ、過去の実感から、いまの体の仕組み、そして今の行動へ動いていく。

右列が今日のゴールになる。左と中央だけで終わると、発達の説明で止まる。
右まで行くと、体育の授業や部活動の話とつながって、生徒の中で一つになる。

個人差の話で空気が止まったときの2手目

この単元で一番気をつけたいのは、発達の早さを比べる空気が出ることだ。
「お前まだ小さいもんな」のような発言が出る場面がある。

だから展開②に入る前に、教師から先に枠を示しておく方法もある。

「発達する時期は人によって違う。早い遅いはあるけど、それは差じゃなくて順番の話ね」

それでも比べる方向に流れたら、話を個人から仕組みに戻す。「心臓が一度に送る血液って、どうやって増えるんだっけ」。具体の話に戻すと、生徒の意識が体の仕組みに向き直る。

そもそも健康は自分の側の要因とまわりの要因が重なって成り立つ、という考え方は中学1年の最初の単元で扱っている。年齢や体力という個人差の話も、そこにつながっている。
→ 健康の成り立ちの指導案|中学1年保健、主体と環境の教え方

評価は「自分の体で説明できているか」で見る

まとめの1文を回収して、自分の実感と仕組みがつながっているかを見る。

  • 「体が発達していると分かった」→ 教科書の言い換え。まだ届いていない
  • 「肺が大きくなるから長く走れる」→ 中央が入っている
  • 「去年より持久走がラクになったのは心臓が変わったからだと思う」→ 右列まで届いている

3つ目のような文が出たら、次の時間に読み上げる方法もある。

<体育の実感から、こう入る>
■準備するもの:なし。教科書と黒板だけでいい
■時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
■最初のひと言:「小学校のころより、長く走れるようになったと思う人?」
■うまくいかないとき:比べる空気が出たら「心臓はどうやって血液を増やす?」と仕組みに戻す

🔖発問に迷った日は

導入の一言が浮かばない日は、正直ある。僕もある。
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中学1年のほかの単元はこちら。
→ 中学1年 保健の指導案・教材一覧

トワせんせい
ABOUT

トワせんせい

公立中学校保健体育教員/生徒指導主事

公立中学校で保健体育を教えて17年以上。
生徒の「保健の授業、つまらない」を「楽しい」に変えたくて、「ほけっと」を作りました。
学習指導要領に基づいた、明日からそのまま使える指導案・教材を発信しています。