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生活習慣病の予防|中学2年保健の指導案と発問例

この記事のポイント

  • 「大人の病気」だと思っている生徒に、数値とグラフを見せても届かない
  • 導入は「今の自分の生活」から入って、あとで病名につなげる
  • 板書は3列。今の習慣・体の中で起きること・変えられること

📊グラフを見せて「気をつけよう」で終わっていた

生活習慣病の授業は、資料に困らない。
厚労省の統計も、罹患率のグラフも、教科書に載っている。

だから僕は最初の年、それを順番に見せていった。
糖尿病の患者数、高血圧の割合、運動不足のデータ。
ひととおり説明して、最後に「みんなも今のうちから気をつけようね」で締めた。

生徒は静かに聞いていた。ノートも取っていた。

でも、まとめの一文を読んだら、ほとんどが「気をつけたいと思いました」だった。
全員が同じことを書いている。
これは授業が届いた証拠じゃなくて、こちらが言ったことをそのまま返されただけなんよね。

理由はあとから分かった。
生徒にとって生活習慣病は「大人がなる病気」で、自分とは時間的に遠い。
遠い話に数字を足しても、遠いままだ。

だから、病名から入らない。
今の生活から入って、あとで病名につなげる。

50分をこう配る

  • 導入 5分 ── 発問1つ。挙手ではなく、手元に書かせる
  • 展開① 15分 ── 生活習慣と体の変化のつながりを押さえる
  • 展開② 20分 ── 「変えられること」を班で出して、絞り込む
  • まとめ 10分 ── 自分の生活から1つ選んで、1文書かせる

展開②を長く取るのがこの単元の肝になる。
知識を入れる時間より、自分の生活に当てはめる時間を厚くしたほうが、まとめの一文が変わってくる。

なお、学習指導要領(保健体育編・保健分野)では、この内容は「生活習慣病などの予防」として、生活行動と健康との関わりを理解できるようにすることが位置づけられている。
病名を覚えさせることが目的ではない、と読める部分だ。

導入で使える発問3つ

そのまま言える形で書く。どれか1つでいい。

  1. 「昨日の自分の生活、10年続けたらどうなると思う?」
    この単元で一番強い。今の生活が主語になるので、生徒が自分の話として書き出せる。
    挙手させず、まず手元に書かせるのがコツだと思ってる。
  2. 「体にいい生活って、具体的に何をしてる状態だろう」
    漠然と「健康的な生活」と言われている中身を、行動レベルに分解させる発問。
    展開①につなげやすい。
  3. 「生活習慣病って、何歳から始まってるんだろうね」
    時間の感覚を揺さぶる型。「大人の病気」という思い込みに直接ぶつかる。
    ただし脅しにならないよう、答えを急がせない扱いが必要になる。

板書は3列で組む

黒板を縦に3つに割る。

  • 左:今の習慣 ── 睡眠/朝食/運動/画面の時間
  • 中央:体の中で起きること ── 血管・内臓への負担が積み重なる
  • 右:変えられること ── 今日から動かせるものだけ

左から右へ、「自分の今」から「自分にできること」へ動いていく。

右列が今日のゴールになる。左と中央だけで終わると、結局「気をつけよう」の授業に戻ってしまう。
右に具体的な行動が並んだ時点で、この50分は成立している。

家族の話が出たときの2手目

この単元では「うちのお父さん、糖尿病」という発言が出ることがある。実際に出たことがある。

そのとき教室の空気が一瞬止まる。
言った生徒も、周りも、どう扱っていいか分からなくなる。

だから展開②に入る前に、教師から先に枠を示しておく方法もある。

「今日は、誰かの生活を責める時間じゃない。体の中で何が起きているのかを知って、自分に何ができるかを考える時間ね」

それでも空気が重くなったら、話を人から仕組みに戻す。
「血管の中では何が起きてるんだったっけ」
具体の話に戻すと、生徒の口は動き出す。

班の中で発言が偏るなら、役割を決める方法もある。
これは別に書いた → 【保健授業のコツ】「発表して」を「教えて」に変えるだけ

評価は「自分の生活が入っているか」で見る

まとめの1文を回収して、自分の生活の具体が入っているかだけ見る。

  • 「気をつけたいと思いました」→ 授業前と同じ。まだ届いていない
  • 「寝る時間を早くしたい」→ 自分の行動が入っている
  • 「夜中にスマホを見るのをやめると、睡眠が変わると思った」→ 習慣と体の変化がつながっている

3つ目のような文が出たら、次の時間に読み上げる方法もある。
書いた本人だけでなく、まわりの基準が上がる。

<次の授業でこう動く>
■準備するもの:なし。教科書と黒板だけでいい
■時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
■最初のひと言:「昨日の自分の生活、10年続けたらどうなると思う?」
■うまくいかないとき:家族の病気の話が出たら「血管の中では何が起きてる?」と仕組みに戻す

🔖発問が出てこない日に

導入の一言が浮かばない日は、正直ある。僕もある。

学年と単元を選ぶだけで発問を4パターン出せるツールを置いてあるので、よかったら。
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無料で落とせるものもまとめてある。
導入の一言を集めた「導入5分テンプレート」20選と、答えにくい質問への「切り返しフレーズ集」。
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同じ中学2年の単元では、喫煙の授業も「知ってるのに、やめられない」を扱う点で地続きになっている。
→ 喫煙と健康の指導案|中学2年保健の導入発問と50分の流れ

中学2年のほかの単元はこちら。
→ 中学2年 保健の指導案・教材一覧

トワせんせい
ABOUT

トワせんせい

公立中学校保健体育教員/生徒指導主事

公立中学校で保健体育を教えて17年以上。
生徒の「保健の授業、つまらない」を「楽しい」に変えたくて、「ほけっと」を作りました。
学習指導要領に基づいた、明日からそのまま使える指導案・教材を発信しています。