この記事のポイント
- 実習の前に、流れを頭に入れる1時間を取ると実習が崩れない
- 入口は「胸骨圧迫って、どれくらいの速さだと思う?」
- 板書は縦1本の流れ。分岐させず、1本の線で見せる
⏰実習の時間が、並ぶ時間になっていた
心肺蘇生法の実習をやったとき、人形の数が足りなかった。
クラスを班に分けて順番に回したけど、1人が体験できたのは数十秒。
あとは見て待っている時間になった。
待っている生徒はだんだん集中が切れて、終わったあとの振り返りも薄かった。
反省してみると、問題は人形の数じゃなかった。
全員が流れを分かっていない状態で実習に入ったから、1人ずつ最初から説明する必要があって、その分だけ待ち時間が伸びていた。
だから、実習の前に流れを頭に入れる1時間を置くようにした。
この単元がその時間になる。
50分をこう配る
- 導入 5分 ── 発問1つ。挙手で軽く取る
- 展開① 15分 ── 倒れている人を見つけてからの流れを1本で押さえる
- 展開② 20分 ── 班で流れを声に出して再現する(人形なしでいい)
- まとめ 10分 ── 流れのどこが不安かを1文書かせる
展開②で人形を使わないのがポイントになる。
口で順番を言えるようにしておくだけで、次の実習の待ち時間がまったく変わる。
学習指導要領(保健体育編・保健分野)では、心肺停止に陥った人に遭遇したときの応急手当として、心肺蘇生法を理解できるようにすることが位置づけられている。
なお文部科学省は、心肺蘇生やAEDの取扱いを含む応急手当の実習について、学校での取組の実施を求める通知を出している。
導入で使える発問3つ
そのまま言える形で書く。どれか1つでいい。
- 「胸骨圧迫って、どれくらいの速さだと思う?」
一番使いやすい。実際に机を叩いて速さを試させると、全員が参加できる。
知識ではなく体感から入れる。 - 「AEDって、学校のどこにあるか知ってる?」
場所を答えられない生徒がほとんどだ。
そこから「使う場面になったら誰が取りに行くか」という役割の話につながる。 - 「倒れている人を見つけたとき、一番最初にすることは?」
流れの出発点を確認する発問。
答えが「周囲の安全確認」や「反応の確認」に着地する。
板書は流れを1本で見せる
この単元の板書は、列に分けない。上から下へ、1本の線で書く。
反応の確認 → 助けを呼ぶ・119番・AED → 呼吸の確認 → 胸骨圧迫 → AED到着
分岐や例外を書き込むと、生徒の頭の中で順番が崩れる。
例外は口頭で足して、黒板には1本だけ残す方法もある。
この「1本で見せる」が効くのは、実習で迷う場面がほぼ順番の迷いだからだ。
手技の精度より、次に何をするかが出てこないほうが止まる。
役割が偏ったときの2手目
展開②で声に出して再現させると、積極的な生徒だけが進めてしまう班が出る。
そのときは、役割を分けて回す方法もある。
流れを読む人、動きをやる人、順番が合っているか見る人。
3人いれば回る。1周したら交代させる。
人数が余る班が出たら、その生徒には「119番に伝える役」をやってもらう。
場所と状況を言葉で伝える練習になるので、余り役にならない。
班の中で発言が偏る場合の工夫は、別に書いた
→ 【保健授業のコツ】「発表して」を「教えて」に変えるだけ
評価は「順番が言えるか」で見る
まとめの1文ではなく、この単元は流れを言えるかで見るのが早い。
- 順番が飛ぶ(呼吸の確認から始まる)→ まだ流れが入っていない
- 順番は言えるが助けを呼ぶ場面が抜ける→ 一人でやろうとしている
- 「まず人を呼んでから」が自然に出る→ 届いている
3つ目が出ていれば、次の実習はかなりスムーズに進む。
<実習の前に、この1時間>
■準備するもの:なし。人形は次の実習で使う
■時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
■最初のひと言:「胸骨圧迫って、どれくらいの速さだと思う?」
■うまくいかないとき:人数が余る班には「119番に伝える役」を回す
🔖応急手当の意義とあわせて
この単元の前に、応急手当をなぜやるのかを扱う1時間を置くと、流れの意味が入りやすくなる。
→ 応急手当の意義と基本の指導案|中学2年保健の授業展開
導入の一言が浮かばない日は、発問メーカーもよかったら。
→ トワせんせいの発問メーカー
実習の前に、無料の教材ものぞいてみてほしい。
「導入5分テンプレート」20選と「困った質問 切り返しフレーズ集」がある。
→ ダウンロード無料の教材
中学2年のほかの単元はこちら。
→ 中学2年 保健の指導案・教材一覧

