この記事のポイント
- 「早く寝ましょう」で終わると、生徒には説教にしか聞こえない
- 入口は、夜ふかしした次の日の1時間目。自分の体の変化から入る
- 板書は3列。疲れのサイン、回復のしかた、自分の場合
🫠正しいことを言うほど、生徒が身構える
休養・睡眠と健康でよく起きるのが、生活指導の時間になってしまうことだ。
睡眠は大事。夜ふかしはよくない。
スマホは早めにやめよう。どれも正しい。
でも生徒からすると、家でも学校でも何度も言われてきた話なんよね。
正しいことを並べるほど、教室の空気は「はいはい」になっていく。
学習指導要領では、
長い時間の運動や学習は疲れをもたらし、そのサインは体と心の変化として出てくるとされている。
そして休養と睡眠で、その疲れを回復させる必要があることが示されている。
この単元のゴールは、寝る時間を守らせることではなく「自分の疲れに気づいて、回復のしかたを選べる」ことだ。
順番も大事になる。
最初に「寝なさい」が来ると、そこから先は聞いてもらえない。
先に「疲れってどこに出る?」を考えさせて、回復の話はそのあとに置く。
来週この単元が来るなら、睡眠時間の数字から入るのはやめておいていい。
50分をこう配る
- 導入 5分 ── 発問1つ。夜ふかしした次の日の自分を思い出させる
- 展開① 15分 ── 疲れのサインが体と心の両方に出ることを押さえる
- 展開② 20分 ── 班で「寝る以外の休み方」を出し合う
- まとめ 10分 ── 自分が今夜からできる回復のしかたを1つ書かせる
展開②を一番長く取る。
睡眠の大切さは、生徒ももう知っている。
知らないのは、休養には寝ること以外にもいろいろな形があることだ。
そこを班で広げる時間を厚くしておく。
導入で使える発問3つ
そのまま言える形で書く。どれか1つでいい。
- 「夜ふかしした次の日の1時間目、自分の体はどうなってる?」
一番使いやすい。誰でも一度は経験しているので、手元に書かせると全員の手が動く。
「あくび」「イライラする」と、体と心の両方が出てくる。 - 「疲れたなって、体のどこで気づく?」
疲れのサインに直接入る型。目や肩、頭、それから気分。
出てきた言葉をそのまま板書の左の列に使える。 - 「休むって、寝ること以外に何がある?」
展開②の問いを先に出す型。
時間が押している日は、ここから入ると展開①を短くできる。
板書は3列。右の列は自分で書かせる
黒板を縦に3つに割る。
- 左:疲れのサイン ── 体(あくび・肩こり・目の疲れ)/心(イライラ・やる気が出ない)
- 中央:回復のしかた ── 睡眠/ぼーっとする時間/お風呂/好きなことをする
- 右:自分の場合 ── 空けておく
右の列は、教師が埋めない。 生徒のノートでだけ埋めさせる。
左と中央は全員の話。右だけは一人ひとりちがう。
板書をそこで止めておくと、「自分の場合はどうか」を考える時間がちゃんと生まれる。
スマホの話で身構えられたときの2手目
この単元で一番起きやすいのは、スマホの話が出たとたんに教室が静かになることだ。
「また怒られる」と思った生徒は、そこから口を閉じる。
ここで正しさを押すと、残りの時間は聞いているふりになる。
だから、責めずに記録だけ取らせる。
「寝る前の30分、何してるかノートに書いてみて。誰にも見せなくていいから」
書いたものは回収しないし、発表もさせない。
自分で見るだけにする。それだけで、生徒は自分の夜を一度ふり返ることになる。
もう1つ気をつけたいのは、塾や家の手伝いで、寝る時間を自分で選べない生徒もいることだ。
そういう生徒がいそうなら、睡眠の「時間」ではなく「眠る前の過ごし方」の話に寄せる方法もある。
評価は「自分の場合」が書けているかで見る
まとめの1文を回収して、回復のしかたが自分の生活に当てはまっているかを見る。
- 「早く寝るようにしたい」→ 授業前と同じ
- 「疲れは心にも出ると分かった」→ 左の列まで届いている
- 「部活で疲れた日は、寝る前に動画を見ないでお風呂に長く入る」→ 自分の場合が書けている
3つ目のような文が出たら、到達している。
【寝る前の話をする日に】
🔹準備するもの:なし。教科書と黒板だけでいい
🔹時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
🔹最初のひと言:「夜ふかしした次の日の1時間目、自分の体はどうなってる?」
🔹うまくいかないとき:スマホで黙ったら「寝る前の30分、書くだけ。見せなくていい」に切り替える
💡前後の単元とつなげるなら
休養の前は、運動の話。運動の「よく眠れる」が、そのままこの単元の入口になる。
→ 運動と健康の指導案|中学1年保健の発問例と板書の組み立て
疲れが心に出る話は、あとの単元の「心と体のかかわり」でもう一度出てくる。
→ 心と体のかかわりとストレスの指導案|中学1年保健の授業の流れ
🔖導入を毎回考えるのがしんどい日は
単元を選ぶだけで、そのまま言える発問が出てくるツールを置いてる。
無料でダウンロードできる教材もある。
→ ダウンロード教材
中学1年のほかの単元はこちら。
