この記事のポイント
- 「運動は大事」と言うだけなら、体育の時間に毎回言っている
- 入口は、体育のあとの自分の体。全員が今日か昨日に経験している
- 板書は3列。体への効果、心への効果、続けるための条件
🌀体育の先生が言うと、いつもの話に聞こえる
運動と健康は、保健体育の先生にとって一番しゃべりやすい単元だと思う。
だからこそ起きやすいのが、「運動は体にいいから続けよう」で50分が終わることだ。
生徒からすると、体育の時間にいつも聞いている話と変わらない。
うなずいてはくれる。でも、新しいことは何も残らない。
学習指導要領では、
運動には体の各器官のはたらきを高める効果があり、気分転換になるなど心への効果もあるとされている。
そのうえで、年齢や生活に合った運動を続ける必要があることが示されている。
この単元で外せないのは「心への効果」と「続けるための条件」の2つだ。
体にいい、だけで止めると半分しか届かない。
もう1つ、運動部の生徒とそうでない生徒で、教室の温度が分かれやすい単元でもある。
運動が苦手な生徒にとっては、責められているように聞こえることがある。
来週この単元が来るなら、まず「運動していない人」の居場所を先に作っておきたい。
50分をこう配る
- 導入 5分 ── 発問1つ。体育のあとの体を思い出させる
- 展開① 15分 ── 体への効果と心への効果を押さえる
- 展開② 20分 ── 班で「続けられる運動の条件」を考える
- まとめ 10分 ── 自分が続けられそうな運動を1つ、理由と一緒に書かせる
展開②を長く取る。
効果は教科書に書いてある。
でも「どうしたら続くか」は、生徒が自分の生活に当てはめないと出てこない。
部活に入っていない生徒、運動が苦手な生徒の意見が一番出てくるのも、この時間だ。
導入で使える発問3つ
そのまま言える形で書く。どれか1つでいい。
- 「体育のあと教室に戻ってきたとき、体は来る前と何がちがう?」
一番使いやすい。全員が経験しているので、手が止まらない。
「眠い」「すっきりした」が両方出てくるのがいい。心への効果に、そのままつながる。 - 「おじいちゃんやおばあちゃんにすすめる運動と、自分たちの運動。何がちがうと思う?」
年齢に合った運動の話に入る型。
展開②の「続けるための条件」に直結する。 - 「運動しなかった休みの日って、夜どうなってる?」
運動しないことから考える型。
運動部以外の生徒も答えやすい。
板書は3列。右の列で止める
黒板を縦に3つに割る。
- 左:体への効果 ── 心臓や肺が強くなる/筋肉や骨が育つ
- 中央:心への効果 ── 気分が変わる/よく眠れる
- 右:続けるための条件 ── 年齢/生活のリズム/好きかどうか
右の列が今日のゴールだ。 左と中央だけなら、効果を確認しただけで終わる。
右の列に、生徒の言葉で条件が並んだ時点でこの50分は成り立っている。
右の列に「通学で歩く」「階段を使う」が出てきたら、そのまま残す。
運動はスポーツだけじゃない、という話がそこで自然にできる。
運動が苦手な生徒が黙るときの2手目
この単元で一番起きやすいのは、運動部の生徒だけがしゃべる50分になることだ。
体験を話せる生徒が前に出て、運動が苦手な生徒は聞く側に回る。
授業としては進むので、気づきにくい。
僕も発表が得意な生徒だけで授業を進めてしまったことがある。
そうなりそうなら、問いを「やっている運動」から「続かなかった運動」に変える。
「始めたけど続かなかったこと、何かある?」
続かなかった経験は、運動部かどうかに関係なく全員が持っている。
ここで出てきた理由が、そのまま右の列の「続けるための条件」になる。
挙手で聞くと、また同じ生徒の手が挙がる。
手元に書かせてから隣と見せ合う形にする方法もある。
評価は「条件」が入っているかで見る
まとめの1文を回収して、続けるための条件に触れているかを見る。
- 「運動は体にいいので頑張りたい」→ 授業前と同じ
- 「運動すると気分が変わると分かった」→ 中央の列まで届いている
- 「朝は時間がないけど、夜に家の前で10分なわとびするなら続けられそう」→ 自分の生活と条件がつながっている
3つ目のような文が出たら、到達している。
【体育のあとの1時間で】
🔹準備するもの:なし。教科書と黒板だけでいい
🔹時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
🔹最初のひと言:「体育のあと教室に戻ってきたとき、体は来る前と何がちがう?」
🔹うまくいかないとき:運動部だけが話すなら「続かなかった運動、何かある?」に変える
💡前後の単元とつなげるなら
運動の前は、食事の話。「動いたぶんを補う」が、運動の話の入口になる。
→ 食事と健康の指導案|中学1年保健、朝食から入る授業の流れ
運動のあとは、休養と睡眠に進む。
中央の列の「よく眠れる」が、そのまま次の時間につながる。
🔖入口の一言を変えたいときは
単元を選ぶだけで、そのまま言える発問が出てくるツールを置いてる。
無料でダウンロードできる教材もある。
→ ダウンロード教材
中学1年のほかの単元はこちら。
