この記事のポイント
- 「生活習慣病=大人の病気」で終わると、中学生には一生自分ごとにならない
- 入口は病名ではなく「毎日やっていること」。そこから病気につなぐ
- 板書は2列。左に病気、右に生活。線でつなぐ形にする
🫠「それ、大人の話ですよね」で終わった
生活習慣病の時間で、僕は病名の説明から入ったことがある。
糖尿病、高血圧、脂質異常症。
黒板に並べて、それぞれ何が起きる病気かを説明した。
生徒は静かに聞いていた。
まとめで一人が言った。
「それ、大人の話ですよね」。
返す言葉がなかった。
実際、授業の50分で出てきたのは全部、大人の体の話だったからだ。
病名から入ると、距離が遠い。
中学生にとって糖尿病は、自分の体の話ではなくテレビで聞く単語になる。
いま思えば、順番が逆だった。
近いのは「毎日やっていること」のほうだ。
そこから病気につなぐと、同じ50分でも着地が変わる。
50分をこう配る
- 導入 5分 ── 発問1つ。自分の生活から出させる
- 展開① 15分 ── 生活習慣病にはどんなものがあるか。名前と、体の中で起きることを押さえる
- 展開② 20分 ── 班で、自分たちの生活のどこがつながるかを出す
- まとめ 10分 ── 自分の生活から1つ選んで、1文で書く
展開①を短く、展開②を長く取る。
病名を覚える時間より、自分の生活に線を引く時間を長くする。
知識の確認は教科書でできるが、線を引くのは授業の中でしかできない。
この単元は「予防」の回と対になっている。
ここで病気と生活がつながっていないと、次の時間の予防の話が宙に浮く。
導入で使える発問3つ
そのまま言える形で書く。
どれか1つでいい。
- 「昨日の自分、何時に寝て、何を食べた?」
一番使いやすい。病気の話を一度も出さずに入れる。
全員が答えを持っているので、沈黙が起きない。 - 「おじいちゃんおばあちゃんが病院に通ってる理由、知ってる?」
身近な大人から入る型。
ただし家庭の状況に差があるので、空気を見てから使う方法もある。 - 「生活習慣病って、何日続けたらなると思う?」
時間の感覚を揺さぶる発問。
1日では何も起きないのに、積み重なると変わる、という話につなげやすい。
板書は2列で組む
黒板を縦に2つに割る。
- 左:病気のほう ── 糖尿病/高血圧/脂質異常症
- 右:生活のほう ── 食べ方/動く量/寝る時間/ストレス
先に右から埋める。
発問①で出た生活の具体を右に書いていき、展開①で左を足す。
そのあと、左と右を線でつなぐ。
線が引けない病気が残ったら、そこは教科書で補う。
全部つながらなくていい。
1本でも自分の生活から線が引ければ、この時間は成立している。
「よく分からん」で止まったときの2手目
班で止まるのは、だいたい「自分の生活のどこが問題か分からない」という形で来る。
そういうときは、問題を探させるのをやめて、時間順に出させる方法もある。
「朝起きてから寝るまで、やってることを順番に言ってみて」
起きる、朝ごはん、登校、授業、部活、帰宅、スマホ、寝る。
出そろってから、「この中で、10年続けたら体に効いてきそうなのはどれ?」と聞く。
探すのではなく、並べてから選ぶ。 これだけで班が動き出す。
それでも出ないときは、範囲を1日から1週間に広げる。
休みの日の過ごし方が入ると、急に具体が出てくる。
評価は「線が1本引けているか」で見る
まとめの1文を回収して、病気と自分の生活がつながっているかだけ見る。
- 「生活習慣病は怖いと思いました」→ 授業前と同じ。まだ届いていない
- 「夜更かしをやめたい」→ 生活は入っているが、病気とつながっていない
- 「寝る時間が遅いと血管に負担がかかると知ったので、スマホを置く時間を決めたい」→ 線が引けている
3つ目のような文が出たら、次の時間の冒頭で読み上げる方法もある。
予防の回への橋になる。
<大人の病気にしない50分>
🔹準備するもの:なし。教科書と黒板だけでいい
🔹時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
🔹最初のひと言:「昨日の自分、何時に寝て、何を食べた?」
🔹うまくいかないとき:班が止まったら「朝起きてから寝るまで順番に」と時間順に出させる
この次の時間に
生活と病気がつながったら、次は予防の話に移る。
早期発見の時間も、この単元の続きとして置くと流れがつながる。
→ 生活習慣病・がんの早期発見|中学2年保健の指導案
■ 最初の一言が決まらない日に
単元を選ぶだけで、そのまま言える発問が出てくるやつを置いてる。
全単元ぶんある。
無料でダウンロードできるものもまとめてある。
導入の一言を集めた「導入5分テンプレート」20選と、答えにくい質問への「切り返しフレーズ集」。
中学2年のほかの単元はこちら。
