この記事のポイント
- 巻いて終わりにしない。「なぜそこを押さえるか」を言わせる
- 3つを全部やろうとすると時間が足りない。1時間で扱うのは2つまで
- ペアは固定しない。けが役と手当役を必ず交代する
🩹包帯を巻いて、きれいに終わった50分
止血法と包帯法の実習で、僕は手順の説明から入ったことがある。
直接圧迫止血のやり方を説明して、包帯の巻き方を見せて、ペアで練習させた。
生徒は楽しそうに巻いていた。
見た目もきれいに仕上がっていた。
でも、まとめで「なんでそこを押さえるの?」と聞いたら、答えが出てこなかった。
巻き方は覚えたけど、理由は入っていなかった。
手順をなぞっただけの50分だった。
いま思えば、説明を短くして、理由を言わせる時間を取るべきだった。
手順は教科書に載っているが、理由は口に出してみないと自分のものにならない。
50分をこう配る
- 導入 5分 ── 安全上の注意を3つ。発問は1つだけ
- 展開① 15分 ── 直接圧迫止血。デモを見せて、ペアで実施
- 展開② 20分 ── 包帯法か固定法のどちらか。理由を言いながらやらせる
- まとめ 10分 ── なぜその手当をするのかを1文書かせる
3つ全部を1時間でやらない。
止血法は必ず入れて、残りは包帯か固定のどちらかに絞る。
全部に触ると、どれも手順をなぞるだけで終わる。
学習指導要領(保健体育編・保健分野)では、応急手当として、傷害の悪化を防ぐ方法を理解し、実習を通して技能を身に付けることが位置づけられている。
導入で使える発問3つ
そのまま言える形で書く。どれか1つでいい。
- 「血が出てるとき、最初にやることって何だと思う?」
一番使いやすい。
答えがばらけるので、そこから直接圧迫につなげやすい。 - 「どのくらいの時間、押さえてたらいいんだろう」
時間の感覚を聞く発問。
実際にやると、思ったより長いことが体で分かる。 - 「包帯って、何のために巻くの?」
この単元で一番外しやすいところを、最初に聞いてしまう型。
「固定するため」「汚れを防ぐため」が出れば、展開②がそのまま理由の話になる。
ペアは固定しない。必ず交代する
黒板に書くのは、手順ではなく交代の順番にする。
- 前半 ── Aがけが役、Bが手当役
- 後半 ── Bがけが役、Aが手当役
けが役を必ず経験させる。
押さえられる側になると、強さと痛みが分かる。
手当役だけをやった生徒は「もっと強く」としか言えないが、両方やった生徒は「そこだと痛い」と言える。
材料が足りない班が出たら、三角巾を布で代用する方法もある。
巻く対象より、理由を言う時間のほうが大事なので、材料の完璧さにはこだわらない。
「できました」で止まったときの2手目
ペアで巻き終わると、たいてい「できました」で手が止まる。
そこから先に進まない。
そういうときは、けが役に聞く方法もある。
「いま、どんな感じ?」
きつい、ゆるい、痛い。
手当した側ではなく、された側に聞くと、評価の言葉が出てくる。
それでも止まったら、条件を変える。
「じゃあ、これが足だったら?」
「走って帰らないといけないとしたら?」
場面を動かすと、巻き方の意味が問い直される。
評価は「理由が言えるか」で見る
まとめの1文を回収して、手順ではなく理由が入っているかだけ見る。
- 「包帯が上手に巻けました」→ 手順だけ。理由が入っていない
- 「強く押さえると血が止まるのが分かった」→ 体験が入っている
- 「きつく巻きすぎると先のほうが白くなるので、指先の色を見ながら巻いた」→ 理由と観察がつながっている
3つ目のような文が出たら、次の実習の前に読み上げる方法もある。
<材料を出す前に決めること>
🔹準備するもの:包帯、三角巾、タイマー。足りなければ布で代用していい
🔹時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
🔹最初のひと言:「血が出てるとき、最初にやることって何だと思う?」
🔹うまくいかないとき:「できました」で止まったら、けが役に「いま、どんな感じ?」と聞かせる
📋この実習の前後に
応急手当そのものの意味を扱う時間を前に置くと、流れがつながる。
心肺蘇生法の実習とは、別の時間に分けて置くほうが落ち着く。
→ 心肺蘇生法の実習|中学2年保健の指導案と安全上の注意
🔖声かけの言葉が出てこないとき
単元を選ぶだけで、そのまま言える発問が出てくるやつを置いてる。全単元ぶんある。
無料でダウンロードできるものもある。
「導入5分テンプレート」20選と、答えにくい質問への「切り返しフレーズ集」。
→ ダウンロード教材
中学2年のほかの単元はこちら。
