この記事のポイント
- 人形の数で授業が決まる。足りない前提で役割を組むほうが早い
- 胸骨圧迫は全員にやらせる。見てるだけの生徒を作らない
- 安全上の注意は、始める前に3つだけ伝える
👀人形の取り合いで、半分が見てるだけだった
心肺蘇生法の実習を、僕は人形を出すところから始めたことがある。
6人班に1体。やりたい生徒が先に触って、後ろの生徒は順番を待つ。
待っている間に別の話が始まり、気づけば3人しか触っていなかった。
まとめで「できるようになった?」と聞いたら、半分がうなずかなかった。
当たり前だ。やってないんだから。
あとで分かったのは、人形の数の問題ではなかったということだ。
待ち時間に何をするかを、僕が決めていなかった。
役割を先に決めて、全員に仕事を持たせる。
それだけで、同じ1体でも時間の使われ方が変わる。
50分をこう配る
- 導入 5分 ── 安全上の注意を3つ。発問は1つだけ
- 展開① 15分 ── 教師のデモ。流れを見せてから、班の役割を決める
- 展開② 20分 ── 交代しながら実施。全員が胸骨圧迫を経験する
- まとめ 10分 ── やってみて難しかったことを1文書かせる
展開②の20分を、人数で割って時間を切る。 6人班なら1人3分。
タイマーを見せて交代させると、取り合いも待ちぼうけも起きない。
前の時間に流れを口で言えるようにしておくと、ここが丸ごと実技の時間になる。
→ 心肺蘇生法の流れ|中学2年保健の指導案と実習の進め方
導入で使える発問3つ
そのまま言える形で書く。どれか1つでいい。
- 「目の前で人が倒れたとき、最初に見るのはどこ?」
実技に直結する発問。
答えを出させてからデモに入ると、見る目が変わる。 - 「胸骨圧迫って、どのくらいの強さだと思う?」
手を挙げさせてから実際にやらせると、ほぼ全員が「思ったより強い」と言う。
体験との差が、この単元で一番効く。 - 「救急車が来るまでの時間、何分くらいだと思う?」
数字の感覚から入る型。
待っている間に何ができるか、につなげやすい。
班の役割を4つに固定する
黒板に役割を書いて、ローテーションで回す。
- 実施 ── 胸骨圧迫をする人
- 計測 ── 時間とテンポを見る人
- 観察 ── 手の位置と深さを見て、気づいたら声をかける人
- 記録 ── 気づいたことをメモする人
この4つを全員が1周する。
見ているだけの時間がなくなり、観察役が声をかけることで技術も上がる。
人形が1体しかない班でも、残り3人に仕事がある。
足りないのは人形ではなく役割だった、というのがやってみて分かったことだ。
安全上の注意は、始める前に3つだけ
長い注意は聞かれない。
始める前に3つに絞って伝える。
- 人に向かって胸骨圧迫をしない。練習は人形だけ
- ひざ立ちで行う。手首や腰に痛みが出たら、すぐ交代する
- 体調が悪いときは、無理に実施しない。観察と記録で参加する
3つ目を言っておくと、体調や事情で実技が難しい生徒が、参加しないのではなく別の役割で入れる。
ここは先に言っておくほうがいい。
ふざけはじめたときの2手目
実習では、どこかの班が必ずふざけはじめる。
人形が相手なので、緊張がほどけるからだ。
叱って止めるのは簡単だけど、空気が固まると残りの時間が死ぬ。
そういうときは、観察役に仕事を戻す方法もある。
「いまの圧迫、手の位置どうだった?」
評価する側に回すと、ふざけている側も自然に戻る。
それでも収まらないときは、テンポを揃える。
全員で声を出して数を数えると、班全体が同じリズムに入る。
評価は「手の位置と深さを言えるか」で見る
実技そのものの上手さでは見ない。
まとめの1文で判断する。
- 「難しかったです」→ 何が難しかったかが入っていない
- 「思ったより強く押すんだと分かった」→ 体験が入っている
- 「手の位置がずれると力が入らないので、肘を伸ばすようにした」→ 気づきが動作になっている
3つ目まで出ていれば、次に同じ場面に出会ったときに体が動く。
<人形の前に立つ前に>
🔹準備するもの:人形、タイマー。班ごとの役割を書いた紙があると早い
🔹時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
🔹最初のひと言:「目の前で人が倒れたとき、最初に見るのはどこ?」
🔹うまくいかないとき:ふざけはじめたら「いまの圧迫、手の位置どうだった?」と観察役に戻す
📋この実習の前後に
応急手当そのものの意味を扱う時間を前に置くと、流れがつながる。
🔖実習の前の1問に迷ったら
単元を選ぶだけで、そのまま言える発問が出てくるやつを置いてる。
全単元ぶんある。
無料でダウンロードできるものもある。
「導入5分テンプレート」20選と、答えにくい質問への「切り返しフレーズ集」。
→ ダウンロード教材
中学2年のほかの単元はこちら。
