この記事のポイント
- 避難訓練の振り返りで終わらせない。この単元の核は二次災害
- 入口は「揺れが止まったあと」。揺れている最中の話から始めない
- 板書は3列。揺れている間・そのあと・前もって
避難訓練の確認で50分が終わった
自然災害の時間で、僕は避難訓練の話から入った。
「この前の訓練、覚えてる?」から始めて、
おさない・かけない・しゃべらない・もどらないを確認して、非常持ち出し袋の中身を出し合った。
生徒はよく答えた。
授業としては成立していた。
でも、あとで指導要領を読み直して気づいた。
この単元の中心は、二次災害だった。
災害が起きたその瞬間だけでなく、そのあとに起きることで傷害が生じる。
そこを一度も扱っていなかった。
訓練の確認は防災指導でもできる。
保健の50分でしかできないのは、「そのあと」に目を向けさせることだと思っている。
検索して出てくる指導案にも、二次災害に触れていないものがある。
ここを正面に置くだけで、授業の中身が変わる。
50分をこう配る
- 導入 5分 ── 発問1つ。揺れが止まったあとに視点を置く
- 展開① 15分 ── 揺れている間と、そのあとに分けて危険を出す
- 展開② 20分 ── 班で学校の1か所を選び、そのあとの危険を考える
- まとめ 10分 ── 家で1つだけ変えられることを書かせる
学習指導要領(保健体育編・保健分野)では、
自然災害による傷害は、災害発生時だけでなく二次災害によっても生じること、また、自然災害による傷害の多くは、災害に備えておくこと、安全に避難することによって防止できることを理解できるようにする、と示されている。
「災害発生時だけでなく」が、この単元の分かれ目になる。
導入で使える発問3つ
そのまま言える形で書く。
どれか1つでいい。
- 「揺れが止まった。さあ、ここから何がこわい?」
一番使いやすい。揺れている最中ではなく、そのあとに視点を置ける。
二次災害に直行できる。 - 「地震でけがをするのは、建物が壊れるときだけだと思う?」
前提を一度ゆさぶる型。
「それ以外にもある」に気づかせてから展開に入れる。 - 「この教室で、揺れが止まったあとに危ないものってどれ?」
教室を見回させる型。
全員が同じ場所にいるので、具体がすぐ出る。
板書は3列で組む
黒板を縦に3つに割る。
時間の流れで分けるのがこの単元のポイントになる。
- 左:揺れている間 ── 落ちてくる/倒れる/割れる
- 中央:そのあと ── 火災/停電/余震/散らばったガラス/けむり
- 右:前もって ── 固定する/置き場所/通り道をあける/連絡の決めごと
中央の列が、この授業の主役になる。
ここが埋まらないと避難訓練の確認で終わる。
左と右だけで終わっていないかを、授業の途中で一度確認する。
左から中央へ動くとき、「時間が経つと危険が入れ替わる」という言い方をすると、生徒の中で順番がつながる。
「備蓄の話」に流れたときの2手目
中央の列を飛ばして、右の備えの話に行きたがる生徒は必ずいる。
水は何リットル、乾パンがどうと、リストの列挙が始まる。
悪いことではないけれど、そのままだと中央が埋まらない。
そういうときは場所を教室に戻す。
「じゃあ、この教室で揺れが止まった直後。何から動く?」
被災の経験がある生徒や地域では、扱い方に配慮がいる。
展開に入る前に一言置いておく方法もある。
「こわかった経験を話さなくていい。今日は、次に何ができるかを考える時間ね」
評価は「そのあと」に触れているか で見る
まとめの1文を回収して、中央の列に触れているかを見る。
- 「地震のときは机の下に入る」→ 左の列だけ。訓練の復習で止まっている
- 「水を用意しておく」→ 右の列だけ。保健の学習から少し外れている
- 「ガラスが散らばるから、揺れが止まってもすぐ歩かない」→ 中央が入っている
3つ目のように、時間が経ってから起きることに触れた文が出ていれば、この単元は成立している。
<二次災害から入る50分>
■ 準備するもの:なし。教室そのものが教材になる
■ 時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
■ 最初のひと言:「揺れが止まった。さあ、ここから何がこわい?」
■ うまくいかないとき:備蓄の話に流れたら「この教室で、揺れが止まった直後は?」と場所を戻す
けがが起きてしまったあとは
災害でけがが出たときの手当は、別の時間で扱う。
あわせて読むと、備えから手当までがつながる。
導入の一言だけ足りない、という日に使ってもらえたら。
→ トワせんせいの発問メーカー
無料教材の一覧もある。
「導入5分テンプレート」20選と「困った質問 切り返しフレーズ集」は、お金はかからない。
→ ダウンロード無料の教材
中学2年のほかの単元はこちら。
→ 中学2年 保健の指導案・教材一覧
