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ストレスへの対処のしかたの指導案|中学1年保健の発問例

この記事のポイント

  • 対処法を一覧にして終わると、生徒は「知っている」だけで帰る
  • ゴールは、場面に合わせて対処のしかたを「選べる」こと
  • 「寝る」「ゲーム」は否定しない。板書の1つの列に入れて、空いている列を見せる

📋対処法の一覧で、50分が終わる

ストレスへの対処のしかたでよく起きるのが、教科書の対処法を並べて終わることだ。

黒板に並べて、ノートに写させる。生徒はちゃんと写す。
でも、どれをどんなときに使うかは考えないまま授業が終わる。

学習指導要領では、ストレスへの対処にはいろいろな方法があると示されている。
原因に向き合う、受け止め方を見直す、人に相談する、生活を整える、リラクセーションをする。
そのうえで、原因や自分の状況に合わせて方法を選ぶことが大切だとされている。

この単元のゴールは「知っている」ではなく「選べる」だ。

もう1つ起きやすいのが、「困ったら相談しよう」で締めくくることだ。
正しい。でも、相談するときの最初の一言が出てこない生徒は多い。
言葉がないまま「相談しよう」と言われても、行動にはつながりにくい。

来週この単元が来るなら、一覧を写す時間を、選ぶ時間に置きかえたい。

50分をこう配る

  • 導入 5分 ── 発問1つ。自分がしている対処を3つ、手元に書かせる
  • 展開① 15分 ── 対処のしかたを3つの列に分けて押さえる
  • 展開② 20分 ── 班に場面カードを1枚ずつ配り、どの対処が合うかを選ばせる
  • まとめ 10分 ── 自分ならどれを選ぶか、理由と一緒に1文書かせる

展開②に一番時間を使う。

場面カードは3種類あればいい。
たとえば「部活でレギュラーから外れた」「友だちとけんかした」「テスト前で眠れない」
場面がちがうと、合う対処もちがう。
それを班で比べるのが、この50分の本体だ。

導入で使える発問3つ

そのまま言える形で書く。どれか1つでいい。

  1. 「イライラしたとき、自分は何してる? 3つ書いてみて」
    一番使いやすい。発表させず、手元に書かせる。
    ここで出た言葉が、展開①の板書の材料になる。
  2. 「同じことがあっても、すぐ立ち直る人と時間がかかる人がいる。何がちがうと思う?」
    受け止め方の話に入る型。
    原因そのものではなく、とらえ方で変わることに気づかせたいときに。
  3. 「友だちに『最近しんどい』って言われたら、最初になんて返す?」
    相談される側から考える型。
    相談する側の言葉は出にくいけれど、受ける側の言葉なら出てくる。

板書は3列。空いている列を見せる

黒板を縦に3つに割る。

  • 左:原因に向き合う ── 予定を立て直す/やり方を変える/人に相談する
  • 中央:受け止め方を変える ── 別の見方をする/完璧じゃなくていいと考える
  • 右:体と気持ちをゆるめる ── 寝る/好きなことをする/深呼吸する

導入で生徒が書いたものを、この3列に分けて貼っていく。

たいてい右の列だけが埋まる。
寝る、ゲーム、音楽。左と中央はほとんど空いている。
その空き方を、生徒と一緒に見るのがこの板書の目的だ。

「寝る」「ゲーム」しか出ないときの2手目

この単元で一番起きやすいのは、導入で出てくる対処が「寝る」「ゲーム」「動画」ばかりになることだ。

ここで「それは対処じゃない」と言うと、生徒は正解を探し始める。

だから、否定せずに右の列に入れる。

「寝るのも、ちゃんとした対処だよ。気持ちをゆるめる列に入るね。じゃあ、この左の列は空いてるけど、何が入ると思う?」

右の列を認めたうえで、空いている列を指さす。
そうすると、生徒は否定されずに、ほかの方法を探し始める。

相談の話まで行けたら、最後に一言だけ添えておく方法もある。
「先生でも、保健室でも、話していい場所はこの学校にあるからね」
誰に話していいかを、具体的な場所で言っておく。

評価は「選んだ理由」が書けているかで見る

まとめの1文を回収して、場面に合わせて選べているかを見る。

  • 「ストレスをためないようにしたい」→ 授業前と同じ
  • 「ストレスの対処にはいろいろな方法があると分かった」→ 一覧は入っている
  • 「テスト前で眠れないときは、寝ようとするより予定を立て直すほうが合っていると思う」→ 場面と方法を選べている

3つ目のような文が出たら、到達している。

【書かせて、選ばせる日】
🔹準備するもの:場面カード3種類。班の数だけ。黒板に書くだけでもいい
🔹時間:導入5分・展開15分+20分・まとめ10分
🔹最初のひと言:「イライラしたとき、自分は何してる? 3つ書いてみて」
🔹うまくいかないとき:「寝る」ばかりなら否定せず右の列に入れて、空いた左の列を指さす

💡前の単元とつなげるなら

この単元の前に「ストレスは悪者じゃない」まで押さえておくと、対処の話がずっと入りやすくなる。

→ 心と体のかかわりとストレスの指導案|中学1年保健の授業の流れ

右の列の「寝る」は、休養・睡眠の単元とつながっている。

→ 休養・睡眠と健康の指導案|中学1年保健の50分の進め方

🔖最初の一言を考える時間がない日は

単元を選ぶだけで、そのまま言える発問が出てくるツールを置いてる。

→ トワせんせいの発問メーカー

無料でダウンロードできる教材もある。
答えにくい質問への「切り返しフレーズ集」も入っている。

→ ダウンロード無料の教材

中学1年のほかの単元はこちら。

→ 中学1年 保健の指導案・教材一覧

トワせんせい
ABOUT

トワせんせい

公立中学校保健体育教員/生徒指導主事

公立中学校で保健体育を教えて17年以上。
生徒の「保健の授業、つまらない」を「楽しい」に変えたくて、「ほけっと」を作りました。
学習指導要領に基づいた、明日からそのまま使える指導案・教材を発信しています。