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班の人数の決め方、あえて奇数にするコツ

班活動をするとき、班の人数の決め方、何を基準にしているだろうか。

きっと多くの先生が、4人か6人のような偶数で組んでいると思う。僕もずっとそうしてきた。座席の並びからそのまま4人班を作るのがいちばん楽だし、机もくっつけやすい。でも最近、あえて奇数の3人班にしてみたら、班活動の空気がけっこう変わった。

4人班で起きていたこと

以前の僕の授業では、発表が得意な生徒だけで話し合いが進み、苦手な生徒の自己効力感をうまく育てられていなかった時期があった。4人班だと、話す2人と聞く2人、みたいなペアがそのまま2組できてしまうことがよくある。気づけば、いつも同じ生徒がうなずくだけの役に落ち着いてしまっていた。

偶数の人数だと、生徒同士でこっそりペアを作って、片方に判断を任せてしまえる。これは生徒が悪いわけじゃなくて、人数の構造がそうなりやすいだけなんだと、途中で気づいた。

正直、しばらくはそのことに気づかず、「今年の学年は積極的な子が少ないな」くらいにしか思っていなかった。今思えば、人数の組み方を疑いもせず、生徒側の性格のせいにしてしまっていたわけで、ちょっと反省している。

奇数にすると、何が変わるのか

3人班にしてみると、単純にペアが作れなくなる。誰か1人が「どっちに賛成する?」と聞かれる立場になったり、意見が割れたときにまとめ役をやらざるを得なくなったりする。逃げ場が少なくなる分、全員が何かしらの役割を持たざるを得なくなる。

  • 2人が同じ意見でも、残り1人の意見を聞かないと話が進まない
  • 発言が少ない生徒も、名指しで「どう思う?」と聞かれやすくなる
  • 沈黙が気まずくなりやすく、誰かが口を開くきっかけが生まれやすい

窮屈に聞こえるかもしれないけど、実際にやってみると、思ったより生徒たちは楽しそうにやっている。むしろ「今日は変な人数だ」というちょっとした非日常感が、良い意味で場の空気を軽くしてくれている気もする。

「発表して」を「教えて」に変える工夫との相性

以前、発表の場面で「発表して」ではなく「教えて」と言葉を変えるだけで、生徒の構え方が変わるという話を書いたことがある。3人班は、この「教えて」との相性がすごくいい。3人だと、1対1で「教えて」と聞かれる場面が自然に増えるからだ。

大勢の前で発表するのは緊張するけど、隣の1人に教えるだけならハードルはぐっと下がる。3人班の中で「教えて」を繰り返しているうちに、生徒は少しずつ、人前で自分の考えを言葉にすることに慣れていく。

ある3人班で見た、地味だけどうれしい変化

実際にあった話をひとつ。普段はほとんど発言しない生徒がいる班を、試しに3人にしてみたことがある。残りの2人はどちらかというと発言が多いタイプで、正直「またこの2人でしゃべって終わるだろうな」と思っていた。

ところが、話し合いの途中で片方が「〇〇さんはどう思う?」と、その静かな生徒に話を振る場面があった。2人だけで完結できないぶん、誰かが3人目を巻き込まないと会話が続かない。そういう構造そのものが、自然と発言のきっかけを作ってくれていたんだと思う。

その生徒が小さな声で答えると、もう1人が「あ、それいいじゃん」と拾ってくれた。大きな変化ではないかもしれないけど、いつもならただ座って聞いているだけだった生徒が、自分の言葉で何かを発した瞬間だった。こういう場面に立ち会えると、班の人数を変えただけなのに、地味にうれしくなる。

声をかけるタイミングも大事

奇数班にしたからといって、全員が自然に話し出すわけじゃない。3人とも遠慮がちで、気まずい沈黙が続く班も普通にある。そういうときは、無理に発言させようとせず、先生の方から「今、誰か困ってる?」と一言声をかけるくらいでちょうどいい。

沈黙そのものを悪いものだと思わなくていい、というのが最近の実感だ。沈黙のあとに、誰かがぽつりと話し始める瞬間の方が、実は深く考えた発言になっていることも多い。焦って埋めようとしなくても、じゃ、ちょっと待ってみようかなくらいの気持ちで見守るようにしている。

クラス全体で偏りが出ないようにする工夫

奇数班にすると、クラスの人数によっては1つだけ人数が合わない班ができることがある。そこは正直、割り切って先生が調整するしかない。僕は、その週いちばん静かにしていた生徒がいる班に、あえて1人多く入れるようにしている。

班のメンバーも、毎回同じ組み合わせにはしないようにしている。同じ3人で慣れてしまうと、結局また役割が固定化されてしまうからだ。くじ引きで決めたり、出席番号を1つずつずらしたり、やり方は何でもいいと思う。ちなみに、くじ引きにすると生徒はそれだけでちょっと盛り上がってくれるので、地味に使いやすい。

やってみて感じた変化

3人班を続けてみて、普段あまり発言しなかった生徒が、班の中で自分から「じゃあ私はこう思う」と言えるようになった場面が何度かあった。人数が減っただけで、発言せざるを得ない状況が自然に生まれたんだと思う。

もちろん、最初から全部の班活動を3人にする必要はない。まずは1回、いつもの偶数班を崩してみて、生徒の反応を見てみるだけでいい。人数を変えるだけだから、教材もワークシートも新しく作り直す必要はなく、今日からでも試せる工夫だと思う。

こうしたグループの組み方の工夫は、「自己形成」や「社会性の発達と自立」の単元とも重なる部分が多い。この2つの単元で3人班に投げる発問は、保健授業の発問メーカーで単元を選ぶと作れる。

中1の教材一式は中学1年生のページにまとめている。

班の人数、次は1人減らしてみるか、1人増やしてみるか。それだけで、教室の中の力関係が少しだけ変わっていくのを感じてもらえるんじゃないかと思う。

道具も準備もいらない、人数を1人ずらすだけの工夫だ。次の班活動、試しにどこか1班だけでも奇数にしてみてほしい。案外、あっさりうまくいくかもしれん。


試してみましたか?

人数が余ったときの役の作り方は、単元によって変わります。
心肺蘇生の授業ではこうしています。

心肺蘇生法の流れ|中学2年保健の指導案と実習の進め方

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