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授業アイデアコラム「発問は「渡し方」でここまで変わる」

保健の授業ネタ、発問は「渡し方」でここまで変わる

発問をどう手渡すか

同じ発問なのに、1組ではめちゃくちゃ盛り上がったのに、2組では見事に沈黙…ってこと、ありませんか。

僕もしょっちゅうあります。「今日はいい発問ができた」と思って次のクラスに行くと、まったく同じ言葉なのに、誰も手を挙げない。最初は「このクラス、乗り気じゃないんかな」と思ってたんですが、何年もやってるうちに、これはクラスの問題じゃなくて、発問の「渡し方」の問題なんじゃないかと気づくようになりました。今回は、その「渡し方」の工夫を紹介します。ちょっとした言い方の違いだけで、教室の反応が変わる、地味だけど効果の大きいポイントです。

発問の中身を練るのはもちろん大事です。でも僕の実感としては、同じくらい大事なのが「どう手渡すか」の部分。中身がどれだけ良くても、渡し方を間違えると、生徒の心に届く前に落っこちてしまうことがあるんですよね。

中身のブラッシュアップについては、前回の記事を読んでみてください。

発問は「投げる」んじゃなくて「置く」

僕がよくやってた失敗は、発問を勢いよく「投げる」ことでした。「はい、じゃあ考えてみて!」とテンション高めに聞くと、静かなクラスほど身構えてしまいます。逆に効果的だったのは、発問を「置く」ような感覚で伝えることでした。

「別に正解とかないんじゃけど」「ちょっと聞いてみたいだけなんじゃけど」という前置きを添えるだけで、生徒の肩の力がふっと抜けるのが分かります。この一言があるかないかで、その後の反応がまるで違うんですよね。

沈黙のクラスには、「書く時間」を先に渡す

声を出すのが苦手なクラスに、いきなり発問を投げても、当然反応は薄いです。そういうクラスには、発問のあとすぐに「じゃあ、まず1分だけノートに書いてみて」と、書く時間を挟むようにしています。

これは班活動の前置きとしても使えます。班で話す前に、まず個人で言葉にしておくと、班に入ったときにいきなり「何を話せばいいか分からない」という空白の時間が減ります。準備してから話す、というワンクッションがあるだけで、話し合いの立ち上がりのスピードも変わってきます。

書く時間があるだけで、発言のハードルはぐっと下がります。頭の中だけで考えるより、一度言葉にしてから話す方が、生徒にとってはずっと話しやすいみたいです。特に、恥ずかしがり屋の生徒が多い学年ほど、この「書く時間」の効果を感じます。1年生は特にその傾向が強くて、入学したての頃は特に、いきなり発言を求めるとみんな下を向いてしまいます。書く時間を挟むようになってから、そういう学年でも手が挙がるようになった実感があります。

盛り上がるクラスには、あえて「間」を作る

逆に、いつも元気に手が挙がるクラスでは、発問してすぐに何人かが答え始めてしまって、他の生徒が考える前に話が進んでしまうことがあります。そういうときは、あえて「ちょっと待って、みんなが考える時間も作りたいけぇ」と一言添えて、10秒くらい沈黙を作るようにしています。

活発なクラスほど、実は静かに考えている生徒の声が埋もれがちです。あえて間を作ることで、普段あまり発言しない生徒にも発言のチャンスが生まれます。活発なクラスほど「静かにしなさい」と注意したくなる場面が多いですが、注意するより「考える時間だよ」と目的を伝えた方が、生徒も納得して静かになってくれる印象があります。

クラスの「今日の空気」を最初の3分で見る

僕は毎回、授業の最初の3分くらいで、その日のクラスの空気をなんとなく見るようにしています。今日はよく喋るクラスか、静かなクラスか、それとも普段と違って何か疲れてる感じがあるか。その空気によって、同じ発問でも「投げ方」を微妙に変えています。

台本通りに進めることにこだわりすぎると、目の前の生徒の反応を見逃してしまいます。逆に言うと、発問の中身さえしっかり用意しておけば、渡し方はその場でいくらでも調整していいんじゃないかと、僕は思うようになりました。

この「その日の空気を見る」という感覚は、最初はなかなか言葉にしづらいものでした。でも意識して続けているうちに、教室に入った瞬間の物音や、生徒同士の会話のトーンなんかで、なんとなく分かるようになってきます。完璧に読み切る必要はなくて、「今日はいつもより静かめかな」くらいのざっくりした感覚で十分です。

発問カードを使うクラスなら、もっと柔軟に

最近は、発問をあらかじめカードにしておいて、班ごとに配る形式もよく使っています。この形式だと、声に出すのが苦手な生徒でも、カードを見ながら自分のペースで考えられます。班の中で誰が最初に話すかも、生徒同士に任せられるので、先生が全体に向けて発問を投げるより、圧倒的に参加のハードルが下がります。

僕が印象に残ってるのは、普段はほとんど発言しない生徒が、カード形式にした途端、班の中でカードを指差しながら自分の考えを話し始めた場面です。声を張って発表するのが苦手なだけで、考えてないわけじゃなかったんだと、そのとき改めて気づかされました。カードという「モノ」を介することで、生徒と発問の間にワンクッション置けるのが、この形式の一番の強みだと思っています。

渡し方を変えた発問のストックが欲しいときは、保健授業の発問メーカーが使えます。単元を選ぶと「ペアトーク向け」「3分でできる」といった渡し方別に4パターン出てくるので、そのままカードに書き写して使えます。

最後に

発問の中身を考えることに時間をかける先生は多いと思いますが、渡し方まで意識してる先生は、意外と少ないんじゃないかと感じています。同じ発問でも、渡し方ひとつでクラスの反応はガラッと変わります。次の授業、発問の中身はそのままでいいので、渡し方だけ少し変えてみてください。きっと、いつもと違う顔ぶれの生徒が発言してくれるはずです。

僕自身、この「渡し方」の視点を持つようになってから、クラスによって授業の準備を変えることへの抵抗がなくなりました。以前は「同じ発問なんだから、同じように伝えなきゃ」と思い込んでたんですが、実際はクラスごとに合わせて渡し方を変えた方が、結果的にどのクラスでも同じくらいの手応えを感じられます。

発問の中身作りに悩んでる先生も多いと思いますが、もし発問自体はそれなりに用意できてるのに反応が薄いと感じるなら、一度「渡し方」を見直してみるのもおすすめです。同じネタでも、届き方は驚くほど変わります。


試してみましたか?

全員が答えを持っている問いから入ると、渡し方がぐっとラクになる。
中1の単元で例を出してみました。

呼吸器・循環器の発育・発達の指導案|中学1年保健の授業の流れ

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